
早朝におじい猫と一緒に起きて、少し仕事をする。
そのあと、また一緒に二度寝。
目覚ましで起きて、朝ごはん。
いつも通りの流れ。
私は自分の部屋に戻ってから、トイレに立った。
ふと部屋を見たとき、
そこにいた。
まんまるい目で、丸くなっているおじい猫。
「え、さっきまで下にいたよね?」
頭が一瞬フリーズする。
見たことある風景なのに、
いないはずのものがいる。
あの感じ、なんて言えばいいんだろう。
でもよく考えたら、ちゃんと理由はあった。
一緒に下に行って、
・トイレ
・水
・ごはん
・ババの生存確認
全部終わっていた。
つまり、にゃお爺的には業務完了。
人間が少しもたついている間に、
もう戻っていたらしい。
冷静になって部屋を見ると、
さっきの場所から少しズレている。
毛布の上には、丸い跡。
「ここ、さっきまでいたな」という証拠だけ残っている。
猫って不思議だ。
移動したというより、
「気づいたらそこにいる」感じがする。
若い頃よりも
・無駄な動きがない
・一直線
・音を立てない
・気配だけ残す
そんな動きになっている気がする。
だからたまに、
「いないはずがいる」
みたいな現象が起きる。
でもそれは、バグでも何でもなくて。
ただ猫が、
一番落ち着く場所に最短で戻っただけ。
10歳を過ぎた猫は、
少しだけこの世界に慣れすぎているのかもしれない。
時間とか距離とか、
人間が気にしているものを、あまり気にしていない。
気づいたらそこにいる。
それだけ。
毛布の丸い跡は、
「ここ、俺の席な」というサイン。
もうその席は返ってこなくてもいい。
にゃお爺が丸くなって寝ているだけで、
部屋の空気が少しやわらかくなる。
今日もたぶん、
どこかで静かにワープしている。




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