自分の好みは一旦置いておく。
使いづらい服、合わせづらい服は
“待機服”として別に保管。
私の好みを知らないAIが組んだコーデを着てみた。
悪くない。
いや、むしろいい。
でも私は、
秋冬ははっきりした色のカジュアル派。
イエロー、カーキ、黒、白、ブラウン。
ずっと自分はイエベだと思っていた。
まだまだ私のこと、わかってないわね。
そう思っていた。
買い足すなら、こんなアイテムがあるといい。
AIが提案してきたのは、
私が絶対に選ばない色と形のパンツ。
近所のブランドだった。
休みの日にでも行ってみるか。
似合わないだろうけど。
……でも、頭から離れない。
サイトを何度も見て、シミュレーション。
似合わない。
いや、でも。
気づいたら仕事終わりに試着していた。
自分が選んだパンツ。
いつものサイズ。
なのに、なんだか苦しい。
AIが選んだパンツ。
ラク。
履いてないみたい。
立っても座ってもストレスがない。
ひとまわり細く見える。
何これ。
即買い。
試着室に入ることさえ躊躇していたのに、
滞在10分弱で購入、退店。
詐欺にでもあったみたいなスピード。
家に帰って手持ちと合わせる。
体が軽い。
細く見える。
あたたかい。
私じゃないみたい。
夢じゃなかった。
お気に入りだった待機服。
来年の冬、着なければ処分しよう。
たぶん、着ない。
でもそれは、
似合わなくなったからじゃなくて、
私が変わったから。




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