むかしむかし、あるところに大きな「かまくら」がありました。
おばあさんがその戸をトントンと叩いてみましたが、誰も出てきません。
「ああ、住んでみたい。よくわからないけれど、なんだか無性に住んでみたくなってきたわ。ちょっと寒いから、中に入ってみましょう。よいしょっと」
おばあさんは中に入ると、ドアをしっかり閉めました。そして、ふと思ったのです。
「誰でも入れる、みんなが安心できるお家を作りたいわ」
おばあさんは枝を拾ってきて、かまくらの中に不思議な空間を作り始めました。
すると、そこには不思議なものがありました。犬の骨のクッキーのような形をした、恐竜アンキロサウルスの足の骨です。
「あら、こんなものが見つかるなんて。何かいいことを思いつきそう。……そうだ、はず山に行ってみようかしら。でも、やっぱり寒いからやめたわ」
おばあさんは一人ぼっちで、少し寂しくなりました。
「今日の私は、ずっと一人なのかしら……」
そう考えていると、下の方からトントンと音がします。見ると、そこには一匹の小魚がいました。
「どうしたんだい、お魚さん」
「僕、おばあさんのかまくらが好きだから、あったかくしに来たんだ!」
1. 最初の仲間、アーケロンとリトルホーン
おばあさんがうとうと眠りかけていると、またドアが「ガチャリ」と開きました。そこに立っていたのは、見たこともない不思議な生き物でした。
「あの、僕も住んでいいですか? 名前はアーケロン。大昔の海の生き物で、今のみんなが知っている海ガメの仲間なんだ。北極へ行ったとき、すごく寒かったからここに来たんだよ」
おばあさんは「恐竜なら入れてあげるよ」と言いました。アーケロンは心配そうに言いました。
「でも、ここには暖炉がないでしょ? 暖炉を作らなくっちゃ」
そこで小魚とアーケロン、おばあさんは力を合わせて暖炉を作ることにしました。
おばあさんはアーケロンに、新しく**「リトルホーン」**という名前をつけました。
「リトルホーン? 初めて聞く名前だね」
「トリケラトプスの仲間で、その妹っていう意味なんだよ」
おばあさんは腰をさすりながら、物知りなアーケロン(リトルホーン)に感心してしまいました。
2. 賑やかになる「かまくら」
次にやってきたのは、カラスでした。
「お母さんに叱られて、謝ってもらえなかったんだ。僕も入れてくれる?」
カラスも仲間に加わりましたが、お腹が空いて元気が出ません。
「僕、本当はお腹が空いてるんだ……青い魚やサメの子が大好物なんだよ!」
カラスはカゴを持って、たくさんの青い魚を捕まえてきました。
さらに、水槽の中にはアーケロンが入り、砂をまいて磯巾着を食べ、夜にはライトアップされる「洞窟の王者(本人は天使だと言っていますが)」として輝きました。
そこへ、はちみつのお菓子を持ったハトたちもやってきて、みんなで賑やかにお菓子を食べました。
3. 色とりどりのカツオブシ探し
「今日は何色の日かな? 水色? 紫がいいね!」
みんなで相談して、アーケロンの体を紫色にしました。
アーケロンの家族は大のカツオブシ好き。
「カツオブシを買ってくるよ!」と誰かが探しに行きましたが、なかなか見つかりません。
「カツオブシの色は紫と茶色……あ、これだ!」
ようやく手に入れたカツオブシを、みんなで1日5回も食べて、どんどん元気になっていきました。
4. 続々とやってくる珍客たち
かまくらには、さらに不思議な訪問者が続きます。
• 大学生:校長先生に叱られて逃げてきた、ちょっと困った大学生。
高田ユウキ君:しっかり者の小学一年生。
宇宙人の兄妹:北極の近くにUFOを停めてやってきた、寒がりの宇宙人。
お米ちゃん:冬は育つのが難しいから、泊まりにきたお米。
リンゴちゃん:真っ赤でみんなに愛される女の子。
リボンちゃん:手足が2本ずつある、おしゃれで好奇心旺盛な子。
みんなでおいしいゼリーや羊羹を食べながら、図鑑を読んだりおしゃべりをしたり。
かまくらの中は、もうすぐ満杯です。
5. 最後のお客様
「あと一人で終了だよ!」
みんなが手を叩いて待っていると、ついに最後の一人が到着しました。
「ひっほ、ひっほ。やっと着いたわ」
やってきたのは、5歳の女の子、ねずこちゃんでした。
「私の名前は、ねずこ。よろしくね!」
ねずこちゃんが元気に挨拶をして、かまくらの中はやっと全員揃いました。
外はとっても寒いけれど、おばあさんのかまくらの中は、恐竜も宇宙人も人間も、みんな一緒。
心も体もポカポカ温かい、不思議で素敵なお家になりました。




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